始まりはリュックの発した一言だった。

戦いの最中、瀕死のメンバーを守るべくかばう態勢に入ったアーロンを知ってか知らずか
直後にリュックが発動してしまった”挑発 ”
ここぞとばかりに向かってくる魔物を前に、すかさず少女の小さな体を
片手でかばったアーロンは、受けた衝撃をそのまま太刀で返して一刀両断。

戦いの終わりを示す 「じゃあな」 というセリフと共に、もうお馴染みとなった
アーロンの見せ場となるはず……だった。

たまには俺にもトドメ刺させろっつーの……というティーダの諦めを含んだ声を聞き流しながら
いつものように大地に太刀を突き刺すアーロンに放たれた一言。

 「おっちゃんのワキ、なんかくさ〜い……」

その言葉と同時に襟を正す姿勢のまま固まるアーロン。
思わずぶっと吹き出したティーダ、前に一歩踏み出そうとした姿勢のまま硬直するワッカとルールー。
腕を組み、無表情を装いながらもシッポがついついひくひくと震えてしまうキマリ。

 「昨日お風呂入ってなかったしね、仕方ないんじゃない? ほら、アーロンさんも年だし」

一瞬にして緊張した空気の中、フォローどころか追い討ちをかけるような発言をかますユウナ。

子犬のような無邪気な目をしたまま、爆弾発言をかました少女はユウナの言葉に なるほど〜 と頷き、
襟を正していた指を戻すことも出来ないままでいるアーロンに、ぴょんぴょん跳ねながら近づいた。

 「そっかぁ、そうだよね〜、でもなんかいいニオイもしたなぁ。
  おっちゃんってもしかして香水つけてる?」

クンクンとリュックに体を嗅ぎまわられてやっと正気を取り戻したアーロンは、まとわりつくリュックを
強引に押しのけ、どうにか体裁を整えるべく「先は長い、いくぞ」とボソリと呟いた。



   ――――――


 * 後日 *


旅行公司へもたどり着けず、野営が三日目になろうとしたある日。
今晩の落ち着き場所を確保すべく周辺の魔物を退治して回っていたティーダとリュックが
固い魔物を相手に音を上げ、薪を確保しようと大木の枝へ太刀を落としていたアーロンを呼んだ。

 「おっさん、取りあえずこいつ頼むっス!!」

ティーダの声に「ふっ…仕方ないな…」と、苦笑混じりに登場したアーロン。
「やったぁ、これでおしまいだねっ♪」というリュックの声と同時に
アーロンがバサリと左腕を高く上げ、いつもの戦闘スタイルになった直後、異変は起きた。

アーロンの担当だった防御力の高い魔物、ルールーの魔法でなければ倒しにくいはずのエレメンタル。
素早さが高く、ティーダかワッカでなければ攻撃を当てることが難しいバグ。

それらのすべてが一瞬にして、 OverKill の表示と共に幻光虫と化したのだ。

呆然とその光景を見守る三人に、 ピロロン♪ というアビリティ習得の音が聞こえてきた。
音につられてその主を見ると、アーロンの頭上に新しい技を習得したという文字列が。





       「   アーロンは "臭い脇 " を覚えた   」









えー。
「これを書くに至った経緯を、絶対に明記してクダサイ!」と
作者様が泣き喚いておりますので、メンドクサイけど(チッ)補足。

※我が家には、アーロンスクリーン(780×1080)という物が飾ってございます。
それに香水を噴霧し(;´Д`)ハァハァするのを、日々の喜びとしております。
(ぅぉお!変な性癖まで晒す羽目に)
以前 彼女が家にいらした際、自分めの真似をし、

嗅ぐ

「くさ!('A`)」

もっ回確認

「やっぱくさ!('A`)、」

・・・これが発端だそうです。どんなインスピレーションだ!
その後クセになった様で、何十回も嗅いでましたw
因みに香水はGUCCIのrush forMEN> アーロンさんから漂っていて欲しい香り <勿論私見
甘く、苦く、和なテイスト。立派なおやじ臭でございますv

素晴らしい。rucaさん、凄い勇気だ。
ああ・・今夜は貴女の為だけに乾杯するッス。
Nephrite】のruca様、ありがとうでした!
↑嫌がらせ(笑)・・・・・・・・・

んでもって、感謝のしるしの>オマケしむぽぜ
・・・先にあやまっておこう。